あいちゃんの★世の中には色々な性癖がありすぎて異世界で異世界

異世界モノ小説書いているお(*‘ω‘ *)連載するお('ω')

世の中性癖 20話

眼が覚めると身体が動かない!?


「え!? え!? ファ!? 」

どういうこと!?

「よつば!? クローディア!? アンドラ!? 」


俺は!? 何してたっけ!?
大丈夫、大丈夫、落ち着け俺。
森の小屋にいたはずだ、なのにここはどこだ?
後ろ手に縛られて固く冷たい床に転がされてる。
日の光はない。 魔術の灯りが天井に灯っている。

どこかの・・・・部屋? それにしては広い。
学校の体育館ぐらいの広さはある。


「みんな!! どこだ!! 誰かーー!! 」


不安で胸が締め付けられる。


「うるさい。黙ってろ」


俺の声を聞きつけたのか、奥から黒紫のローブ姿でフードを被った者達が見えるだけで5名、近寄ってくる。
俺に声をかけたのは先頭の男か。
ここは下手にいこう・・・。


「あのー・・・・・・ ここはどこでしょうか? 私と一緒にいた連中知りませんか? 」

「・・・・・・・」

「あのー・・・・・・? 」

「・・・・・・」


ダメだ、まったく反応してくれない。
性別もわからない奴らは会話をしているようだが小さくて聞こえない。

あれ、待てよ?

もしかして俺の言葉通じてない?
よつばがいないからか?
よつば・・・・


「・・・・・・ キャン ユー スピーク ジャパニーズ? 」

「・・・・・・ 黙ってろ」

言葉通じるじゃねーか。
そりゃそうか、さっきも黙ってろって言われたな。

手も足も縛られており何もできそうにない。
こんな状況になるだなんて人生であるなんて思ってなかった。
平和な日本では考えられないことだ。

さらに黒紫ローブのやつらが増える。
ざっと見えるだけで20人以上はいるな。
ローブのせいで判別ができないが明らかに目立つやつがいる。
ローブの上からじゃらじゃらとした宝石の首飾りをしている。
ローブの下につけろよな・・・・

それにしてもこいつら何をするつもりだ?
やつらは俺を囲み始める。

動けない俺になにするつもりだ!?

っく!! 殺せ!! 

くっころなことするつもりか!?

もうよつば達にはしたの!?
どんなことしたの!?
エロドージンみたいな!?


その動画ください!!


「ちょっと!! お前たちさん!! せめて説明とかないの!? ずっと騒ぎ続けるぞ!!! うああ!!! 」

「うるさい!!!」

「せめて説明してくれませんか!? 」

首飾りローブの野郎はめんどくさそうにしているが俺が大きく深呼吸。 さらに騒ぎ出そうとすると


「お前は生贄で、お前の仲間は貢物だ」

心底面倒くさそうに答える。

「・・・・生贄? 貢物? なに? 悪魔召喚でもするの? 」

「話が早い。 準備はできている。 悪魔なんぞではないがな 」


あ、悪魔召喚!?
この世界は悪魔までいるのか!?
神がいるようだし、悪魔もいるか!?
そういうもの!?
けど悪魔じゃない?
神の召喚に生贄とかいるの?

「待って待って! 待ってください!! 他の連中は!? せめてそれだけ! 」

めんどくさそうに首かざりローブ野郎は奥を指す。
そこには倒れているよつばとクローディアの姿があった。
特に縛られてもおらず、ただ寝ているようだが・・・・

「死んでないですよね!?」

「貢物を殺しては意味がない。 召喚と同時に魔術を解いて起こしてやる。 すぐに食われるだろうがな」

ぶっそうだな!

気づかなかったが俺の転がってる地面にはでかい魔法陣が書いてある。
ローブのやつらがなにやら唱えだすと魔法陣が血のような真っ赤な色で浮かび上がる。
体中から嫌な汗が噴き出す。

まずい、何がまずいかわかりゃしないがまずいっ!


「やめて!? やめませんか!? そんなことしても誰も喜ばないよ!?」

詠唱は続く

「何が欲しい!? 金か!? 世界か!? 待って!! 何でもしますから!! 」

詠唱は続く

「ゴラァ!! クソガキども!!! ケツアナに槍ぶっさして口から引き抜いてやんぞゴラァ!!」

詠唱は続く

「ごめんね? 今までの全部嘘です。 ほんとすいません」

詠唱は続く

これはだめだ、手首を引きちぎってでも逃げるしかない!
かなりきつく縛られているせいで手先や足先の感覚はないが必死にあがく。


クソがっ!!

手首は紐で擦れ血がにじむが解ける気配はない。
詠唱は終わりに近づいているのか、魔法陣から俺でも感じるくらいの禍々しい恐怖が滲みだしている。
だめだ、何もできない。

最後の詠唱なのか、ローブのやつらの声がいっそうでかくなる。

「「「魔神様!! 降臨し我たちの王となり道を示したまえ!! 」」」


魔神召喚!?
バカでかい音が空間内に響き渡る。
ピアノ!? ファンファーレ!?
魔法陣周辺から悪魔の行進曲とでも言うのだろうか?
不気味な爆音が響き渡り黄金色の光が立ち上がる!


「来る!! 来るぞ!! 」


最高潮に盛り上がる爆音。
どす黒い影が俺に迫る。

来る!!!


「ワン!! 」


犬がきた!? 太郎だ!!
太郎は俺を守るように黒い何かに噛みついた!?

が!

黒い何かは太郎の口から中に入り込む。


「太郎!! 」

痙攣し始める太郎。

口は半開きになり舌が飛び出している。


「たろう!!!!!!!!」

「犬だと!? なんで入りこんでるんだ! 召喚はどうなった!? 犬では魔神様は降りれないのではないか!?」

「予備が!! 予備の魔力玉と素材もまだあります!!」

「まだいけるのか!? すぐに準備しろ!!今夜を逃したら終わりだ!! 」


ローブのやつらは再度詠唱を始める。


「太郎!太郎!! 」


太郎は時おりビクッビクッと震えるがしばらくすると動かなくなった。


「太郎!!」


詠唱は続き魔法陣の輝きが増す


あいつら!! 太郎を話の通じない犬畜生だと思ってやがる!!
ふざけやがって!!

詠唱が続き赤黒く浮かび上がる魔法陣が輝きを増す。


あいつら全員太郎と同じ目にあわせてやるからなっ!!


「「「魔神様!! 再度降臨し我たちの王となり道を示したまえ!! 」」」


さっきと違う!?

ピアノもファンファーレの音も聞こえない。
ただただ禍々しい気配だけが深く、濃くなっていく。
魔法陣から赤黒い光が立ち上がる!


「来る!! 来てくれたぞ!! 」


どうする!? 交わせるものなのか!?
立ち上がった赤黒い光に禍々しい気配が絡みつく。


「先輩!? 先輩!!! 」


よつば!?目が覚めたか!!


「よつッ」

迫る気配が身体に絡みつき侵入してくる!!!


「アアアアアアアアアアアア!!!」

「センパーーーーーーーイ!!!!」

よつばの悲痛な叫び声が聞こえるような気がしたが俺は体中から侵入してくる気配にそれどこじゃない。
何かが俺の身体を動かそうと気持ちの悪すぎる気配が体中を巡る。


うああああ!!
俺の身体を支配するな!!!


あああ・・・・・


意識が・・・


ある・・・


あるな?


ん?

なんだ?




「先輩!!!」

よつばが俺に駆け寄ってくる。

貢物って言ってたしな、今から俺に食われるんだろう。
ローブのやつらは遠巻きに様子を見ている。


「よつば・・・・死ぬ前に・・・・・・」

「先輩先輩先輩!!」

「死ぬ前に・・・・」

「せんぱああああい!!!! 」


話聞けや!!!!!!!!!!!!!

こいつアホか!?

死にそうなのよ俺!?



「話を・・・聞いて・・・」

「先輩い!!!うあああああん!!!! 」

「お願い!! 話聞いて!? ほんと死んじゃうから!! 遺言だよ!?」

「うううう・・・・・ 先輩・・・・」


まだ泣いてるが何とか泣き止んだ。

「死ぬ前に・・・・・・ おっぱいを・・・・・ 揉みたかった・・・」

「先輩!最後なのに!!  生きてたら揉ませてあげますから!!」

「他にも・・・ パンツも・・・・欲しい・・・」

「パンツ!?」

「ブラもセットで・・・」

「贅沢なこと言いますね!? 生きてくれたら上げますから!!! 」

よつばは必死に俺に【ヒール】をかけ続ける。
よつばの額に玉のような汗が噴きだしている。
そうとう無理して魔力を使ってくれているようだ。

「もういい。 よつば、やめてくれ」

俺に纏わりつく暖かな気配を受け入れるものの回復しているような気配はない。
乳を揉めてブラもパンツもセットでくれる。
それを聞けただけで満足だ・・・・

俺は目をつぶると身体の力を抜いた。

俺は意識を魔人に乗っ取られ・・・・・・・・・・・


ない。


なんだこれ?

ほんとに召喚されてんのか?


≪どういうことだ!? なぜ身体を支配できない!?≫

!?

身体から声が聞こえる!?
魔神か!?

≪そうだ! 吾輩は72柱が一柱 魔神・総裁 オセ である!! ひれ伏せ!!≫

は? オセ? 総裁? ひれ伏す? 身体乗っ取らないの?

≪乗っ取れないのだ!! なぜだ!? どうなってるんだこの身体は!! 説明しろ!! ≫

わからん。 何言ってんだこいつ。

コミュ障か?

≪ふざけるなよ!? 目の前にいる女を殺すぞ!?≫

身体乗っ取れないのに?

≪なぜだ!! どういうことだ? 我の魔力が霧散し消えているぞ!! この身体には魔力がまったくない! 作られないのだ!! ゆえに支配ができない!!≫

魔力ないらしいからな。

≪魔力がないだと!? この世の生物には全て魔力が宿るのだ! 世界の理を無視するな!!≫

つまりお前は乗っ取れないの? 俺が消そうと思ったらお前消せんのか?

≪・・・・・・・・≫

答えないと追い出すぞ。俺の身体に召喚されたんだ、外に出されたら消えるんじゃないのか? 

≪・・・・・・ そうだ。 消すな≫

オセ、だっけ? お前がいて俺に得あんのか? 魔力もないんなら俺が魔術使えるようになったわけじゃないし、うるさいだけだろ。

≪・・・・・・せっかく現界したんだ! もう少しこの世界を楽しませろ!! 魔神界は暇なんだ!! 視力だけでいい!! 我に外を見る許可をよこせ! ≫

なんだそりゃ? 俺の意識一つでできんの?

≪できる! 我はお前に支配されている状態だ。 支配する予定だったが仕方ない。せっかく来たんだから頼まれろ!≫

偉そうだな。 代わりに? お前は何をしてくれんの? 

≪代わりにか・・・・ 我は身体を変化させることができる。 これは魔力を使わない。我の固有能力の一つだ。 今のお前ならそれが使えるはずだ。 我が消えればもちろんその能力も消えるがな≫

身体を変化?

≪試しに手に刃物でもイメージしてみろ。 強く、強くだ。 出来ると念じろ。 出来て当たり前だと思うのだ。≫

身体変化か・・・・・ そういえば今縛られたままだったな。
紐を切るか。

イメージ、イメージだ。
俺の両手は手首から先がナイフだ。
そのナイフで俺を縛る紐を切断し自由にある。
イメージしろ、俺の手はナイフだ。
俺の手に巻き付いている紐だろうが、パンツの紐だろうがサクッと切れるナイフだ。

念じていると手首がざわつくのがわかる。
変化の兆しなのか、手首から先の形があいまいに感じる。

≪もっとだ! イメージは力だ。 我の能力を信じろ。 どれだけ切れる刃なのか、強度はどれほど硬いのか、刃渡り、色、ツヤ、形状をイメージしろ!≫