あいちゃんの★世の中には色々な性癖がありすぎて異世界で異世界

異世界モノ小説書いているお(*‘ω‘ *)連載するお('ω')

世の中性癖 19話

一話からはこちら('ω')↓

 

aitamada.hateblo.jp

 

===

 

 

教会で朝食を取った俺達はさっそく南の森に向う。
俺によつば、そしてクローディアと太郎。
念入りに荷物のチェックをするが、そもそも荷物をあまり持っていないので忘れようもない。

太郎は置いてきた。 はっきりいってこの戦いにはついてこれない。

と思ったのだがついてきた。
空気の読めない犬畜生だ。

何を言ってもかわいく首をかしげるだけで話が通じない。
餃子のほうが話が通じる。

かと言って言葉を理解していないわけではなく、呼べば来るしご飯・散歩といった単語は理解している。
自分の都合の良い単語だけに反応しているようにも思える。
小さいし魔物も狙うほどでもないから大丈夫か?
俺のすぐ隣をトコトコついてきている。

森までは特に魔物に会うこともなく快適に歩いてこれた。

遠くに芋虫がでかくなったような生き物を見かけたがそれだけだ。
街道を歩いているせいだろうか魔物は少ない。


「さて、これから森に入る。 慎重に行こう。コーンウルフ以外の魔物だっていると思う。 とにかく先に魔物を見つけ、先制攻撃で終わらせよう」

「はい! 」

「わらわに任せるとよいゾ!! 」


太郎は木におしっこだ。
縄張りを主張している。

とにかく最初の1体。なるべく森の入り口付近で接敵したいがいるだろうか。
俺達は慎重に森の奥に進んでいく。
森の中にも獣道はあり、なんとなく歩ける。

警戒心を全開にしながら歩くため疲労も感じるがしばらく歩くと・・・・・・いた。

少し森が開けた岩陰にコーンウルフが寝そべっているのが見える。


「よつば、クローディア。  前 」

小声で二人に合図を出す。
二人とも確認したようでよつばは弓に矢をつがえる。


「よつばは弓、クローディアは【ウインドスラッシュ】で先制しよう」


二人は無言で頷くとよつばは弓を引き絞りクローディアは詠唱を始める


「風よ風よ、わらわの魔力を刃に変えよ、【ウインドスラッシュ】!! 」


クローディアのかざした杖の先から風が吹き出し風の刃がコーンウルフへ襲い掛かる。
周りの雑草や枝を切り裂きならがコーンウルフの脇腹に着弾する。


「ウガァ!! 」


コーンウルフは悲鳴をあげたものの、風の刃は切断には至らなかった。
深そうに見える傷跡からは真っ赤な血が噴き出している。


「よつば! 」

「ハイ!!」


気合いと共に放たれたよつばの矢をコーンウルフは寸前でかわす。


「二人とも追撃! 前に出る! 」


よつば達を背後に隠すように槍を構え前に出る。
威嚇するように牙を剥き出しにしたコーンウルフの眼を見ているだけで恐怖に足がすくむ。

行くべきか!? 待つ!? チャンスなのか?
こいつはもう動きは鈍いよな!?

睨み合いが続く。

「どけ陽介!! 【ウインドスラッシュ!!】」 


2撃目のクローディアの魔術の刃に槍を合わせる。

こちらを睨みつけるコーンウルフだがクローディアの魔術が見えているのか、横に跳躍しかわす。

交わすタイミングにも槍を合わせることができず以前にらみ合ったままだ。

牙を剥いたコーンウルフの形相に足が竦む。


「先輩! どいてください! 【ライトアロー】!! 」


よつばの手から光の矢が放たれるとコーンウルフに突き刺さる。
俺は一歩踏み込むとすかさず槍に力を込め突き出す。

槍は胸部へ突き刺さり、コーンウルフの体から力が抜けるのを感じる。
・・・・・・いやな感触だ。


「よし! 一体目! 」


俺は嫌な感触を振り払うように声をかけるとさっそく角の回収に入る。
回収用の短剣を取り出すとよつばと一緒に解体する。

たった一戦で疲労感がすごい。
それは全員同じようで額に汗をかいている。
何にせよ初勝利だ。

【解体】スキル持ちのよつばが解体をするとすごくスムーズに解体される。

手に入れた角をリュックに入れ、現状確認をする。


「よつば、クローディア、体調、魔力はどうだ? まだいけそう? 」

「はい! 矢は当たりませんでしたが、まだいけます! 」

「わらわはまだまだいけるゾ。 魔力もまだ余裕があるのだ」


小休止し俺たちは次の魔物を探しに森の探索を進める。
通りやすい場所を選んで歩き進んでいるため真っ直ぐは歩いていない。
迷わないように気を付けないとな。

しばらく歩くと


「ガルルルルルゥ」


低く唸るコーンウルフと鉢合わせしてしまう


「よつば! クローディア! 右手にコーンウルフ!」

とっさに槍を構えるもコーンウルフのほうがはやい。
飛び掛かってきたコーンウルフの牙をなんとか槍の持ち手で押さえるが角が頬をかすめ皮膚が抉られ押し倒されてしまった。


「先輩!!!」
「くそが!!」


押し倒されながらも腹にケリをいれるが離れる気配がない。
目の前に生臭いコーンウルフの牙が迫る。
爪が俺の脇腹に食い込む。


「【ウインドボール】!! 」


クローディアの魔術で俺の目の前にいたコーンウルフが弾き飛ばされる。
致命傷ではないようだが効いているようだ。


「ナイスクローディア!!」


興奮で痛みを感じる暇もない。
間を置かずよつばの矢が放たれてコーンウルフの脇腹に突き刺さる。


俺は体制を整えるとコーンウルフと対峙する。


「ガアア!!」


コーンウルフの突進と俺の槍が交差し槍がコーンウルフを貫く。


「ハァ、ハァ、ハァ」
「先輩!!」


泣きそうな顔でよつばが駆け寄ってくる。
顔面蒼白だ。


「大丈夫、生きてるから」

「あたしはよつば!よつばの名において願う!あたしの魔力を使い傷を癒して!【ヒール】」


よつばは俺の体に触れると治療魔術を唱えてくれた。
なにかぬるい風のようなものが俺にまとわりついてくる。
これが治療魔術か?
体に取り込むようにその風を受け入れると頬の傷も脇腹の爪痕もきれいに治療される。


「すごいな治療魔術は」
「せんぱぁいっ!!」


抱きついて! はこない。
泣きながら抱きついてきておっぱいワンチャンもめる場面やろここは。
瞳に涙がめいいっぱい溜まっており零れ落ちる寸前だ。

「よつば?」

わかってるよ、ほら。といった感じで両手を広げてやる。
よつばは俺の体に手を添えたままはにかんでみせる。

あれ・・・・? こいつ・・・・かわいいな。
おねいさん属性じゃないくせになかなかキュンキュンさせるじゃねーか・・・


「わらわの判断よかっただろう?よかっただろう? ウインドスラッシュだと陽介も一緒に切り刻むことになりそうだと判断してウインドボールにしたんじゃゾ?」


クローディアは褒めて欲しいらしい。


「な?な? 本当は陽介ごと切り刻んてやってもよかったのだが。 よつばが泣くしな? わらわ天才じゃろ? な? 」


俺のことを一応考えてくれてるのか。

それにしても先制できないとこうまでも違うか。
ママが言っていたな。
とにかく不意をついて先制攻撃、敵の攻撃が届かない位置をキープして攻め続けろ、と。

【索敵】ができる人材が欲しい。
太郎はできないのか? 犬なんだし鼻で見つけろよな。
太郎はすました顔で俺たちを見ながら縄張り主張行為をしている。

さっそく解体をし2本目の角をリュックにしまう。
午前中に街を出てきたがすでに日は登りきっている。
午後1時くらいだろうか。
慎重に森を歩いているので思ったより時間が経っている。


「まだ、いけるか?」

「そろそろ戻りながらでいいと思います」

「そうじゃな。 帰りがけにいたら討伐すればいいんじゃないか?」


その意見に賛成だ。
思った以上に金にはならなかったがしょうがない。
金より命だ。

警戒しつつ来た道を戻ることにする。


「えっと、あっちから来たよな?」

俺は左手を指す

「え?あっちですよ? 」

よつばは右手を指した。

「んん? こっちからじゃゾ?」 

クローディアは自分の後ろ方向を指す。
沈黙の時間が流れる・・・・・・。


「迷った!? 」

「え!? え!? あたしのほうで会ってますよ!」

「アハハハ!!! わからん!! 」


しょうがないのでよつばを信じ道を決める。
不安なのか、誰も口をきかない。
方向、合ってるよな・・・

しばらく歩くと見おぼえがある、一体目のコーンウルフを討伐した場所に出た。


「ほら!! あたしすごい! 」


これも【聖神の寵愛】効果か? 
よく道わかったな。
それはいいんだが・・・・


「いますね。オオカミちゃん・・・・」


俺たちが討伐した1体目を貪るコーンウルフがいる。
3体目か。今度は先制できるな。


「よつば。クローディア、準備」


よつばは矢を引き絞りクローディアは詠唱を始める。


「着弾と同時に前にでる。 放て! 」


よつばの矢とクローディアの【ウインドスラッシュ】がコーンウルフ目掛けて放たれ着弾。コーンウルフの脇腹が裂かれダメージを与える。
俺はよつば達を隠すように前にでる。


「2撃目準備!」

「アオオオオオオーーーン!!」


雄たけび!?
背筋に悪寒が走る。
まずい予感しかしない。

俺は槍を構えるとコーンウルフに踊りかかる。
これで沈める!!
突き出した槍は見事に胴体を貫いた。
手に感じる生命を奪う感触。
今はそんなことを気にしてる場合じゃない。


「よつば!! 後ろじゃ!!! コーンウルフ2体!! 」


よつばの後ろを振り向くと駆け寄ってくるコーンウルフが2体も見える。
単独行動じゃねーのかよ!!

まずい! 2体とも狙いはよつばだ。

俺はよつばの前に出て立ちふさがる。

コーンウルフ達は目前まで迫っており、走る勢いそのままに俺に飛びついてくる。

1体は間に槍を挟むことで噛まれるのを回避できたもののもう1体が右腕に食らいつく。
焼けるような感触と痛み、腕を摺りつぶされたような痛みを感じる。


「【ウインドボール】」


クローディアの魔術は俺に噛みつけなかった一体を吹き飛ばす。
あれだけじゃ倒せない。


「【ライトアロー】!」


よつばが俺の横から噛みついているコーンウルフの頭に零距離で魔術を放つ!
噛みついていたコーンウルフの頭を吹き飛ばし一撃で絶命させる。

右腕の感覚がない。


「先輩! 治療します!」

「先にもう1体だ!」

「【ウインドウォール】!」


クローディアの風の障壁が今まさに俺に飛びかかろうとしていたコーンウルフを吹き飛ばし、間に障壁を展開させる。


「ナイスだクローディア!」

「この障壁は前方だけじゃ! 回り込めるゾ!」


コーンウルフは聞こえたのか、仲間の仇をとらんと障壁を迂回している。
右腕の感覚はない。

俺は左手一本で槍を構える。
正直対応できる気がしない。
回り込んできたコーンウルフの前に立ち構える。


「ワン!!!! 」


太郎が俺の前に出て最大限のボリュームで吠える


「太郎!余計な事するな!」


コーンウルフはカンにさわったのか無造作に前足の爪で太郎を薙ぎ払う。


「キャンッ!!」


くそ!! 追撃をさせまいと槍を突き出すがあっさりと交わされる。


「【ウインドウスラッシュ】!」

「【ライトアロー】!」

二人から魔術が放たれ、風の刃が尾を切り裂き光の矢は後ろ足の片方を吹き飛ばす。
コーンウルフは直撃寸前に体をずらし致命傷を避けた。


まずい、二人とも魔力は大丈夫か?
特にクローディアは魔術が使えなくなればロリコン受けする単なるキッズだ。
腕力も胸もないため食うところなんて少ないだろう。

それにしてもやばい。
体温が下がっているのを感じる。
血を流し過ぎたか。


「大丈夫!? 助っ人に入るよ!! 」


動きやすい恰好をした赤毛の女、アンドラが両手に短刀を持ちコーンウルフに接近する。


「ハアアッ!」


掛け声と共に一閃。コーンウルフは眉間と心臓を貫かれ絶命した。


「助かりました!! 」

「先輩!! 腕!! 」


よつばに治療魔術をかけてもらい腕の感覚が戻ってくる。
けっこう派手に噛みつかれたが皮膚も元通りで腕も指も動かすことができた。


「はぁ、はぁ、 先輩、よかった」


魔力を使いすぎているのか息が荒い。


「大丈夫か? 魔力使いすぎか?」

「治療魔術は魔力消費が激しいって聞くよ。怪我が大きければ大きいほど。よつばちゃん無理してない?」

「だ、大丈夫です。はぁ、はぁ、次は太郎ちゃんの治療します。 それが終わったら少し休みたいかな」


太郎!! 忘れてた。
太郎はよつばに治療してもらうもいまいち効果が出ていない。
少し警戒しているようだ。
魔力不足か?


「太郎! 大丈夫大丈夫、よつばは怖くない怖くないよー。太郎を治そうとしてくれてるんだよー」


俺の声掛けが効いたのか太郎が元気になってきた。


「なんか先輩に声かけてもらったら太郎元気になりましたね。ずるい」


俺たちはコーンウルフを解体するとさっそく休憩することにした。
周りを警戒できるように少し開けた場所を探したいところだ。


「そういえばアンドラさんもコーンウルフ狙いでしたか?」

「そうそう! 一緒に来たメンバーとはぐれちゃってさ、はぐれたら小屋で待ち合わせにしてたからそこにいるかな」

「じゃあそこで休憩にしましょう。 ここから近いですか?」

「わりと近いよ、着いてきてー」


アンドラは【索敵】というスキルが使えるようだ。
索敵レベルは低いため範囲はそれほど大きくないものの前後左右20~30メートルの気配がわかるらしい。
安全に小屋につけそうだ。


しばらく歩くと見おぼえのある小屋についた。
扉にコーンウルフの角の後がある。
なつかしい場所だ。

さっそく俺たちは中に入るがまだ誰も来ていないようだ。


「どうやらアンドラさんのお仲間はまだ来てないようですね」

「そうね。気配も感じないし、心配だけどまずは休もうか」


俺たちはリュックから食料を取り出す。
冒険者が良く使っているという干し肉、乾燥チーズ、保存が効くという固いパンだ。アンドラも自分で同じような食糧を出している。


「飲み物、用意してやるよ。アクア使えるし」

「すいませんアンドラさん、ありがとうございます」


アンドラが用意してくれている間に各自装備品のチェックや少し体操をして緊張しきった体をほぐす。


「二人とも、魔力はどう?」

「食べたら回復はやまりそうですね! はやく食べましょう! 」

「食事と休憩は魔力の回復に役立つゾ。食べるゾ!」


アンドラが準備してくれた水、なにかが加えてあるな、少し酸味があっておいしい。レモン水みたいなもんか。


「なんかちょっとおいしい水ですね」

「だろ? リモンって果実を絞ってあるのさ。これ好きなんだよねー」


俺たちは反省会をしながら食事を続けた。
それにしても眠い。
本当に疲れた。

周りを見るとどうやらよつばもクローディアも眠そうだ。
太郎は既に日向ぼっこしながら横になっている。
小屋の中の気温がちょうどいい。


「あー、なんか俺ちょっと眠いわ」

「先輩もですか? あたしも魔力の使いすぎかな・・・・」

「わらわもなんだか眠いのぉ・・・・」

「えー!? 仕方ないなぁ、私もここで待ち合わせだし、少し寝ててもいいよ。」

 

アンドラの提案に俺たちは甘えることにした。