あいちゃんの★世の中には色々な性癖がありすぎて異世界で異世界

異世界モノ小説書いているお(*‘ω‘ *)連載するお('ω')

世の中には性癖 15話

一話からはこちら('ω')↓

 

aitamada.hateblo.jp

 

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夕食のよつばパンを食べながらママにジョブについて聞いてみた。

ママは【ミネルウァの加護】を受けて【プリースト】となったらしい。
【プリースト】の補正は、光・回復魔術の効果上昇・範囲上昇・消費魔力軽減・修得能力上昇、加えて結界魔術と魔力感知が使えるらしい。

正直魔力についてよくわかってないし、ふ~ん。だが。
いいことなんだろう。
ママが足を組みなおす度にスリットからの生足が熱い。
これもいいことだ。

それよりも子供達と戯れていたよつばからの視線が痛い。
子供達はパンを胸に当ててよつばをからかっている。
からかい方がうまい。
ミーリアだけはよつばをフォローしようとしているがかける言葉がなさそうだ。

何はともあれお金だ。お金がないとなにもできない。
あれ、そういえば依頼はどうなってるんだ?


「よつば、そういえば掃除の依頼はどうなってるの? 」

「先輩? あたし、今、怒って、ますよ? よつばパンって、なんですか? 」

「よつばの乳サイズのパン、ってことだよ。言わせんなよ恥ずかしい。」

「見たことないくせに! もっとありますし!! 」


気のせいか怒りに震えるよつばの背後から魔力のようなものが湧き出しているように見える。


「よつばさんの魔力が上昇しているんですが・・・・・ 」


ママは冷や汗をかきながらそんなことを言う。

あ、やっぱり!? 恐ろしい子・・・・・・


「ごめんなさい、ほんとごめんなさい。 子供達とコミュニケーションがとりたくて。 よつばにも子供達と触れ合って欲しくてネタにしちゃったんだ。 ごめんね? 」

「う・・・・・・ うーん。そういうことなら・・・・・・」


ちょろい。 
乳くらい揉んでもごまかせそうだな。
今度試してみよう。


「依頼はですね、明日のお昼過ぎに依頼者の家に行って掃除です!! 地図も貰ってますからお昼食べたらいきますよ!! 」

「はい、喜んで!! 」


確か依頼内容はコメットさんの家の掃除、報酬は200Gだったか。安いけどコツコツ稼ごう。
それにしてもこんなにチマチマ稼いでる場合じゃないな。
なんかいい手はないものか・・・・・・
何か商売を始める? また薬草取ってきて売る? よつばに回復魔術を覚えてもらって回復でお金を取るとか?
何がいいんだろうな、いい案思いつかないな。
悩んでいると


「ワン!! 」


犬のような鳴き声が食堂に響いた。

あれ? 教会に犬いたっけ? そもそもこの世界で犬らしいもの見てないな。ペットという概念はあるのか?
食堂にいた全員の注目が声の主に集まる。
そこには一匹の・・・・・・


犬がいた。


小型犬。色は茶色。たしか茶色はレッドっていうんだっけか。
毛が少しもっこもこしててとってもラブリーキュート。
小さなお耳はペタンと横に垂れており愛くるしさを醸し出す。
完全にトイプードルやん。


「うわあ! トイプーちゃんだ!! 」 


よつばは嬉しそうに犬に駆け寄るが、犬は警戒しているようだ。
よつばをみておびえて低く唸る。


「ママ、犬飼ってたんですか? 」


俺は素朴な疑問をママにぶつけた。


「いえ、犬は飼ってませんよ、というか初めてみる種類の犬ですね」


ママは興味深そうに犬を眺めている。
この世界にはトイプードルはいないのか。
愛玩用に品種改良されてる犬種だろうし、いないもの納得か。
よつばは怯えられているのがショックだったのか少し落ち込んでいるようだ。
犬は俺と目が合うとなぜか寄ってきて小さく鳴いている。


「とりあえず、ご飯あげてもいいですか? 」

「は、はい。 それはいいのですが。 この犬、ちょっと不思議ですね。 」


俺はパンを細かくほぐし、白スープに入れたものを犬の前に差し出してやる。
よっぽど腹をすかしていたのか、むしゃぶるように食いついている。
とんでもなくかわいい。
どっから来たんだこいつは。


「不思議なんですか? とんでもなくかわいいだけに見えますが」

「この犬なんですが、魔力がすごく小さい・・・・・・ ないような気がしますね」


え!? 俺と同じ!?
ってことはこいつは日本からきたのか?それとも別世界?
この世界の生物は全て多かれ少なかれ魔力を必ず持っているという話だ。
俺はその魔力がないためギルドで登録すら苦労した。
この犬も魔力がないってことはこの世界産ではないってことだろう。
どうやってここにきた?


「魔力のない犬ですか。私も魔力がないようなんですが、なんか関係ありますか? 」

「陽介さんもやっぱり魔力がなかったのですね。 すごく少ないだけだと思ってましたが、まさかないとは・・・どうやって生きてるんでしょうね・・・」

「生きてますね・・・・・・俺。」

「魔力がないだけの普通の人、ってことでしょうね」
 

やっぱりそうなるのか。
ご飯を食べ終わった犬は俺の足元から離れようとしない。
なんで俺なんだ? 
とりあえず俺に犬を飼う余裕なんてない。
教会で飼ってもらうことになりそうだが・・・・・・
いいのか?
こういう時は考えるのを丸投げに限る。


「ママ、この犬どうしましょう・・・」

「野良犬を見つける度に全てを受け入れることはできません。 かといって陽介さんにとてもなついているようですし、陽介さんが面倒をみるなら自由にしたらいいと思います」

「なるほど、わかりました。 捨ててきます」

「ちょっと先輩!! といぷーちゃん捨てるつもりですか!? こんなにかわいいのに!? 」

「犬飼う余裕なんてうちにはありません!! よつばちゃんを食べさせるだけで精一杯なんです! 」

「私のご飯あげますから! といぷーちゃん捨てたら魔物に食べれちゃいますよ!? 」

「この世は弱肉強食なのです。 自然の摂理です」

「おに!!  スケベ!! 」


よつばは牙を剥き出しにして威嚇するように俺を見ている。
教会の子供達も犬を捨てることに反対のようだ。
犬をかばうように俺の前に立ちふさがる。


「教会で面倒みてもらおう? ママにちゃんと言えるか?」

「いえます!! 」


ママをチラっと見ると困ったような顔をしているが犬のかわいさには心揺れているようだ。
もう一押し。


「よし、よつば。 んじゃ名前を考えようか」

「マカロン とか シフォン とかどうですか? かあいいですよ 」

スイーツ脳だなこいつ。即答で菓子の名前が出てきたぞ。そんな甘ったるい名前じゃだめだ。
この犬はこれから魔力もなく、過酷なこの世界を生き抜いていかねばならぬのだ。
う~ん。


「よし。 名前は 『いぬドッグ』 だ。 」

「「「はぁ!?」」」


食堂にいる人達が一斉に声を上げる。


「先輩ヒドイ! それ『いぬいぬ』ってことじゃないですか! 却下です却下!! 」

「陽介さん、さすがにそれはかわいそうじゃないですか?」

「じゃあなんだったらいいんですか!? キングコブラだったらいいんですか!?」

「それもやだ! 先輩センスない!! 」


名前決め会議は紛糾した。

俺からはかっこいい名前ということで サタン バハムート オロチ を出したが通らず。
よつばは マカロン おもち あんこ を出したが俺が通さず。
ママは ビクトリー セイント イージス なんて名前案が出たがなんとも微妙なセンスだ。
子供達も色々と案を出したが結局は『太郎』に落ち着いた。

とりあえず俺の作戦通り。
名前をみんなで考えることによりなし崩し的に教会で飼う雰囲気になっている。


「よし、今日からお前は『太郎』だ!! 」

「ワン!!」


太郎の表情はわからないが、どことなく安心しているように見える。
『犬ドック』じゃないならなんでもよかった、とでも言い出しそうだ。

みんなで食事の片づけをして風呂の時間だ。
といっても水浴びをするか身体をタオルで拭くくらいだがそれでもかなりすっきりする。

寝る前に明日の予定を確認。

午前中は算術指導。午後はママからの訓練予定だったが掃除の依頼を受ける。
それが終わったらまたギルドで依頼を探して戻ろう。

ママとの性生活を妄想しながら太郎と一緒に眠りについた。



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「おっきろー!!! 」

「待て待て待て!! 毛布の中に太郎もいるから!! 」

アレクのバカでかい声に起こされる。
俺のベッドにダイブしてくるもんだから一緒に寝ていた太郎が圧死するかと心配になる。
せっかく名前をつけてやったのに翌日に圧死じゃさすがにかわいそうだ。

食堂に行くとすでによつばもママもいた。
丁度いい。


「ママ、午後は依頼を受けるのですが、そこから1割を生活費としてお渡ししたいと思います。少ないですが、これからお世話になっている間お渡しさせてください」

「ありがたくいただきますね」


ママは快く受け取ってくれそうだ。
断られても渡すつもりだったけどね。

さっそく子供達を集めて午前中いっぱいを使って算術指導をした。
遊びながらの指導だから内容は薄い。
ゆっくりしっかり教えていこう。

俺は指導を終え、よつばはお手伝いを終え昼食を取る。
さっそく午後は初依頼だ。