世の中性癖 「指導」 11話
一話からはこちら('ω')↓
==================
武器の扱い方を教えてくれる!?
ママが!?
「あの、ママが俺達に武器の使い方を教えてくれるんですか?」
俺のマスターソードの使い方も教えてくれるってことだよね!?
ママはこともなさげに
「はい。 私はこう見えて冒険者生活してましたよ。 全ての武器なんて使えませんが。 槍と弓、短刀を使えます。それから魔法も使えますよ」
マスターソードはどうなんだろう。
マスターソードは?
僕の新品マスターソード・・・・
それにしてもこのおっとり系シスターのママが槍と短刀を振り回すのは想像できないが、弓はわかる。
バストがささやかなママだから弓も引きやすいのだろう。
どうやらママは各属性の初級魔術に加えて聖魔術を中級まで使えるシスターらしい。
さらには【ミネルウァの加護】持ちだ。
加護持ちは【結界術】というものを使えるらしい。
「それはとても助かります! ぜひ私に槍を! できれば魔術もお願いします! 」
魔力はないけど・・・・・ いいじゃん?
よつばも目をキラキラさせながらシスターを見つめている。
「あたしにもお願いします! 弓と魔法を教わりたいです!」
ママは微笑ましいものをみるようにみつばを見ると
「はい。それでは決まりですね。 陽介さんは午前中に子供たちに【算術】を、よつばさんはお手伝いをお願いします。お昼からは私からお二人に指導しますね。 」
話がまとまり俺達は食事の後片付けをした。
蛇口をひねれば水が出る、ことはない。
現代とは違い水は井戸から汲んできて大きな瓶にためている。
そこからわざわざ救ってきて洗い物をする。
ママは水魔術初級が使えるため、水を作ることができるのだがそれはしないようだ。
あえて井戸から汲んできて使っている。
それから客室と呼べばいいのか、簡素な部屋をそれぞれ与えられた。
ベットにテーブル、そして机。
どれも木製のシンプルな物だ。
俺はスーツの上着を椅子にかけるとそのままベッドに倒れこんだ。
「あ・・・・ 夜這いに備えて身体清めておかないと・・・・」
そのまま意識を手放してしまった。
___________
「おきろ~!!! 」
一瞬にして意識が覚醒するどでかい声で俺は目を覚ました。
服装を確認すると乱れた様子はない。
どうやらマスターソードはまだ新品のようだ。
俺を起こしたのは今年6歳になる教会の子供の一人 アレクだ。
アレクは丸坊主な男の子で半袖、短パンの似合うヤンチャ坊主だ。
「おきたなアニキ!! 次はねーちゃん起こしてくるぞ!! 」
「待て小僧!!」
それは俺がいこう。
先輩としての義務だ。
よつばは昨日スーツだ。
寝るときに上着は脱いだだろう。
そしてスカートも脱いでいるはずだ。
シワになるしな。
つまり今、よつばはシャツにパンツ姿だ。
わかるな?
俺はわかる。
起こすために部屋に入ったらたまたまブラも見えて生足がペロペロできる状況だっただけだ。
悪いのは俺じゃない。
この世界だ。
「アレク。 よつばおねーちゃんは俺が起こしてこよう。」
「わかった! んじゃ食堂に来てね!」
アレクはそういうと元気に食堂に向かって走っていく。
朝から元気いっぱいだ。
俺のちんちんと一緒だ。
俺はよつばの部屋の扉の前で声を掛ける。
小声でそっと。
「よつばさ~ん、朝ですよ~」
0.1デシベルくらいの声で声をかける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
反応はない。
仕方ないなぁ、ほんとしょうがないやつだ。
朝が弱いのかよつばは。
あ~もう。 仕方ないなぁ。
そっと扉を開けると
「あ、先輩おはようございます! ノックくらいしてくださいよ~ 」
「あらあら、起きてたのね・・・」
「私朝早いですよ! 目覚ましなくても起きちゃいますからね! 」
もうよつばはスーツを着込んでいつもの恰好だ。
まぁこれしか服もってないしな。
このままじゃ洗濯もできないしこの服装、この世界で浮いてるわ。
はやくお金が欲しい・・・・
よつばと一緒に食堂で朝食をとる。
食堂にはすでに子供達とママ、シスターもいた。
「おはようございます。 今日からよろしくお願いします」
最初が肝心だ。
俺はシスターに挨拶をするとさっそく今日の予定を確認した。
俺は朝食後、午前中は【算術】の指導、午後はママからの指導を受ける。
よつばは俺が算術指導をしている間にママのお手伝いをし、午後は一緒に指導を受ける。
算術指導はこのまま食堂を片付けてここでやるようだ。
食べ終わった人から片付けを初めている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さぁて! それではみんながどこまでできるか確認しようか!!」
集まったのは3人。
今朝俺を起こしに来た6歳のアレク、10歳のミーリア、11歳のミケルだ。
ミーリアはショートカットの女の子だ。暗めの茶髪に同じ色の瞳、賢そうな顔をしている。
ミケルは黒髪短髪の男の子だ。アホそうな顔をしているが、やる気はあるようだ。
この教会には子供が6人いるのだが、残りの3人は数字の理解、足す事、引くことはわかるからいいらしい。
仕事もあるようだしな。
「よし! 改めて自己紹介しよう。 私は山崎陽介先生、 今日から君たちの先生だ! 算術はやくに立つ!! 買い物はもちろん単純な計算ができるだけで君達の世界は絶対にかわる! 今から学ぶことは世界を生きる基礎だ。 むしろ覚えてないと死ぬ!」
俺は指導モードだ。
元気よくスタートの合図をするのはとっても大切だ。
指導の仕方っていうのはいろいろとあるが、俺はテンション高く盛り上げる、熱血系なのよね。
わかっていることをいかにかみ砕いて簡単に、単純にて教えることができるか。
分からない、ということは相手の頭の中にイメージができていないからだ。
自分の知っている知識、イメージを相手にわかるように伝える。
指導者と受講生には知識の差があることを忘れてはならない。
これがポイントだ。
これができない指導者は多い。
「まずは数の数え方!! みんなはどこまでできるかな?」
子供達に確認をすると、1~10までの数字はわかる、足し算はわかるかな、程度のようだ。
これは腕がなる。
俺は子供たちに算数の指導を始めるとよつばはニヤニヤしながら俺達の様子をみていた。