あいちゃんの★世の中には色々な性癖がありすぎて異世界で異世界

異世界モノ小説書いているお(*‘ω‘ *)連載するお('ω')

世の中には 4話予定 「狼ちゃん!? 」

一話はこちらから('ω')

 

aitamada.hateblo.jp

 

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狼ちゃんいるやん!?

俺は刺激しないようにそっと扉を閉め、小声で


「よつば!! 外に角狼!! こっちをみてらっしゃる!!  刺激しないように音を立てるな!! 」

「!? はい!! どうしましうう!? 」


慌てふためき、青ざめるよつばはまともに会話になってない。
外の様子を窓から覘くと、どうやら外に出るのを待っているようだ。
角狼は警戒心丸出しでこちらを睨みつつ牙を剥き出しにしている。

てか!! 窓に飛び掛かられたら簡単に入り込まれそうじゃないか!?

とりあえず尖らせた木材、槍を窓に向けて構えておく。


「よつばも槍だけ窓に向けて構えておけ!! 飛んで来て刺さればラッキーだ! 」

「うううう!! 」

泣きそうになりながらも言われた通りに窓に槍をむけるよつば。
どうする!? このままやり過ごせるのか? 
こんなちんけでゴミみたいな槍で倒せるものなの!? 
あああ!? 棒の先に短剣を縛り付けたほうがよかったか!?

どうしよう!? 

こうなったら片腕を噛ませてる間に短剣を突き刺す!?
自己犠牲でもってよつばの好感度上げてワンチャン!?

噛まれた経験も刺す経験も女性経験もない俺に……できるのか?

なんとなくよつばの胸元に目がいく。
よつばは隣で震えながらも気丈に槍を構えており俺に胸元を覘かれていることに気付いていない。
小さくても見る分には十分や。
いや? 意外とあるか? 

良く見える位置に角度を変えようとすると角狼が目の端に見えとたんにテンションが下がる。

あいつをどうにかしないとだめか……

このまま角狼が動かない場合でも水も食料もない俺たちはピンチだ。
はやめに探索をしたいのにこの状況はまずい。 このままでは生き残れない。

しょうがない。

よつばにはっきり言おう。

「よつば 」

「はい 」

「実はさ……」

「な、なんですか? なにか思い浮かんだんですか? 」

「あのさ……  俺」

「はい」

「童貞なんだ!! だから死ぬ前にワンチャン!! ワンチャンだめですか!? 」

「はあああ!?」

「狼なんかに襲われる前に!! 」

「バカアホ!! こんな時に何いって 」


バギャッ!!

扉を破られた!? 木材がへし折れたかのような音がせまい小屋に響き渡る。

角狼が今の騒ぎに興奮して混ざりたくなったのか扉に突撃をかましたようだ。

俺は一人で楽しむ派だ! 邪魔をするな!! あんにゃろう!!

角の当たった部分だろうか? 扉に穴が開いてしまっている。


「先輩のせいですよ!? どうしてくれるんですか!? 」

「お前がでかい声だすからだろ!? 」

「あんなこと言われたら大きな声も出しますよ!!この童貞!! 」


窓から角狼を見ると、今にももう1度突撃してきそうな雰囲気を感じる。


「待て待て待て待て! まずはあの角狼どうにかしてから!! それからじっくり!! 」

「じっくり!? 」


もう一度大きな声をあげそうになるよつばだが、角狼の存在を思い出したのかとたんに不安げな表情になる。
角狼、このまま扉に突撃してくるならそこを突き刺してみるか?
俺が動いたのを察したのか、こちらをジッと睨みつけており動く気配がない。
賢いやつだな角狼。

これは長期戦になりそうだ…… これではこちらの体力が尽きるのが先だろう。

どうしたものか……

しばらく角狼との睨み合いを続けているが、諦めて去る気配は感じられない。

この緊張感でよつばもだいぶ疲れてきているようだ。

考えあぐねていると


「先輩。私おとりになります」


意を決した表情のよつばはとんでもないことを言い出した。


「なんで!? 何いってんの!? 」

「このままここにいても私たちまずくないですか? それならイチかバチか、あの角狼を撃退するしかないと思うんです」

「なんでお前がおとりなんだよ! 」

「いいから! 抵抗はしてみますから、私が襲われてる間に角狼をその棒と短剣でどうにかしてください! 」


よつばの顔に、その表情に、躊躇いがない。
なんてバカなことを言い出すんだこいつは!!


「やめろ!! 」


俺が言い終わる前によつばは槍を不格好に構えながら外に飛び出す

慌てて手を伸ばすが間に合わずよつばは飛び出してしまう

追いかける俺が見た光景は



鮮血が舞う中で座り込むよつばの背中と




でかい斧を振り下ろした大柄な男と赤毛の女だった。



「よつば!? 大丈夫か!? 」 


放心状態のよつばに駆け寄るとどうやら怪我はないようだ。
少し赤く染まっているもののどうやら角狼の返り血だろう。


「せんぱぁい……」

よほど怖かったのか安心したのか、涙を浮かべてすがりついてくる。
血がつくから!! 汚い!! なんて言える雰囲気じゃない。
仕方ないのでそのままにさせてやりワンチャン乳でも揉んでやろうかと企んでいると


「お前たち、何してんの? 」


赤毛の女のほうが声を掛けてきた。

空気読めや!! 内心舌打ちしながらも冷静になる。l

赤毛の女の着ているものはなんの皮素材なんだろう。 
硬い皮で作られているであろう、濃い茶色の胸当てにいろいろなものが刺さっている皮ベルト、短い皮スカートに脛当てにブーツ。
キュートなおへそは丸出しでペロペロしていいのか聞きたくなる。
真っ赤な赤毛はショートに切られており動きやすそうだ。
年齢は10代後半だろうか? 俺達より年齢は下だろう。
切れ長の目は賢そうな印象を受ける。
瞳の色が赤いな。

それにしても胸当ての上からでもわかる。この子はそれなりに巨乳だ。
よつばよりは確実にある。

動きやすさを重視した格好はまさにシーフ、といった感じではあるが、お胸は少し邪魔そうだ。
よつばに分けてあげて。

もう一人、でかい斧を振り下ろした大柄な男は角狼の角を短剣で切り落としていた。

身長は2メートルはありそうなこの男は同じような革製の鎧を着ているが肩の部分はない。
肩が動きやすいように? かとも思うが単純にサイズの問題ではないだろうか。

胸から腰までを覆う形の鎧で下半身はそれぞれパーツ別に太もも、脛、ブーツと身に着けている。

この革製品は流行りなのか?

短く刈り込まれている髪に年齢は俺よりも上に見えるな、30代に見える。


「いや・・・・・・ ここは・・・ どこですか? 」

「……… は?」


沈黙の時間が流れる。

赤毛の女の子は沈黙に耐え切れなかったのか


「ここはエアロの街、南の森。 そんな恰好で何やってるの? 」


ここはエアロの街から南の森、らしい。
近くに街があるのか、本当によかった。
というか、エアロの街ってどこの国だ?
日本にあったか?
よつばも同じことを考えたのだろう。
俺と目が合う。


「でさ。 お兄さん達話聞いてるー? 」


「あ! すいません!! 実はどうやってここに来たかもわからなくて困ってたんです 」

「は? どういうこと? 」

赤毛の娘は疑いの目全開でこちらを見ている。


「トイレでおしっこしてたらこの小屋にいて・・・」


これまでの経緯を話すがいまいち信じてもらえてない。
俺だって信じられない。
酒飲んで座りションしてたらここにいたよ、なんて話信じるほうが異常だ。
そもそもここが外国ならなぜ言葉が通じるのかもわからない。
日本語だよな?


「まぁ信じられないけど困っているのはわかったよ。私たちも今から街に戻るところだけど一緒にいく? 」

「「ぜひ!!! 」」

よつばと一緒に食い気味に飛びつく。


「貸しにしておくからね。後で何か返してよ? 」

「よつばにできることなら……」

「なんで私を売るんですか!? 先輩払ってくださいよ!! 」

よつばは怒っている。やっぱり女の子の日か?


「あなたはよつばさんって言うのね。私はアンドラ。 こっちのでかいのは ラッシュ。 こいつはぜんぜんしゃべらないけどそういうやつなんだ。気にしないで。 」


ラッシュさんは軽く手をあげて応えてくれる。

この赤毛アンドラちゃんで、大男はラッシュさんか。


「私は 山崎 陽介 です。 こいつは」

自分で名乗れ! との意味を込めて目で合図を送る

「よつばです! 花岡 よつば っていいます! 」

街にいけることが嬉しいのかよつばのテンションは上がりまくりだ。


「ん? やまざき? はなおか? 貴族だったの? 」 

「え?」

どうやら話を聞いてみると、この場所には名前以外に性を持つことはないらしい。

持っているのは貴族か王族から認められたもの、国への貢献が認められたものが性を名乗ることが許されるらしい。
貴族じゃないし、無用なトラブルも避けたいところだからこれからは名前のみを名乗ることにしよう。
街までの道中、様々な話を聞くことができた。

質問をする度に 貸し一、 貸し二、 とどんどん借りが増えてしまったが情報はどうしても必要だ。
もはや借りは三十くらいになっている。
巨乳のくせにケチ臭いやつだ。

ケチ赤毛の話をまとめると

あの小屋は休憩スポットらしい。
昔は使う人も多かったようだが最近では森の生態系が変わりあまり使う人はいなくなったらしい。
今回はあの角狼の角が必要でラッシュと一緒に来たようだ。

この世界に日本、と呼ばれる国は聞いたことがない

携帯電話、車、飛行機、バイク、といったような日本社会では普通にあるものが名前すら聞いたことがない

どうやらここは、【異世界】らしい。

だって。




魔法という力があるようだ。